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バカテスト解説―「バカとテストと召喚獣にっ!」第2問次回予告「海水に含まれる主な成分は水と何?」
【第2問】
問 以下の問いに答えなさい。
海水に含まれる主な成分は水と何でしょう。
姫路瑞希の答え
『塩(塩化ナトリウム)』
教師のコメント
正解です。さすがですね、姫路さん。
他にもマグネシウムを始めとする様々な成分が
溶け込んでいますが、
塩分が最も多い約3.5%をしめています。
吉井明久の答え
『後悔と懺悔の涙』
教師のコメント
……何があったんですか?
次回予告
僕と浴衣とお祭り騒ぎっ!

↑いきなりの水着回となりました。真珠は月の涙。
~バカテスト解説!~
というわけで、始まりました、バカテス2期。
2期も誰得なバカテストの解説を行っていきたいと思います。
よろしくお願いします☆
では早速バカテストの解説に移りましょう。
題意がやや汲み取りにくいですが、海水を蒸発させたときに出てくる成分と解釈しておきましょう。海水中では(イオン結晶は基本的に)イオンの形で溶けているわけですからね。
さて、「姫路瑞希の答え」では、姫路さんが「塩化ナトリウム」のことを「塩」と言ってしまっているのが気になりますね。
姫路さんにとって「お塩」とは「青酸カリ」のことだろうに……。
科学において「塩(えん)」とは、陽イオンと陰イオンからできる化合物のことを指しますから、できれば「塩(しお)」のことは「食塩」と呼んでほしいところです。
そして、問題なのは、教師のコメントの方ですね。
「他にもマグネシウムを始めとする様々な成分が溶け込んでいますが、塩分が最も多い約3.5%をしめています」とあるように、どうやらここでは「塩分」を「塩化ナトリウム成分の量」という意味で用いているようです。
既にこの時点でものすごい違和感がありますが、まあ日常生活で「塩分摂り過ぎに注意!」なんて言った場合には、それは「塩化ナトリウム」のことを指しますから、泣く泣く許容することにしましょう。実際に辞書を引いてみると、
塩分
1 物の中に含まれている食塩の量。
2 海水中に溶けている塩類の量。ふつう海水1キログラム中のグラム数(パーミル)で表す。平均海水で約35パーミル。
(『デジタル大辞泉』)
と記されています。サイエンスとしての「塩分」は普通は2の方の意味を表し、塩化ナトリウム以外の、例えば塩化マグネシウム(にがりの主成分)などの「塩(えん)」も含みます。
……さて、ここまで読んで何か気付くことがありますね?
先生は重大な勘違いをしているのです……!
辞書曰く「海水中に溶けている塩類の量。ふつう海水1キログラム中のグラム数(パーミル)で表す。平均海水で約35パーミル」となっていますが、この35パーミルとは、3.5%のことです。
そうです。
先生は「塩分」を「塩化ナトリウムの量」という意味で用いておきながら、塩分の海水中に占める割合については「塩化ナトリウム以外の海水中に存在する塩類をもすべてひっくるめた」値を用いているのです。
実際のところ、塩化ナトリウムの海水中に占める質量パーセント濃度は、2.7%ぐらいになるでしょうね。
用語の意味がブレると大変です。先生にはぜひ正しく用いていただきたい。
<余談>
海水中の成分として今ホットな話題といえば、やはり、D(重水素)とLi(リチウム)でしょう。どちらも海水中にほぼ無尽蔵に存在する資源です。天然資源に乏しく、かつ海に囲まれた日本にとって、(低コストで採集することができれば)この両者はこの上なく魅力的な資源なわけです。
さて、この重水素とリチウムがなぜ今ホットなのかと言えば、DとLiは、現在技術開発中の「核融合炉(核融合発電)」の有力な燃料物質となりうるからなんですねー。正確には、Liから作られる三重水素(T)が燃料なわけですが、このDとTを燃料としたD-T核融合を利用した「核融合炉」が最も早く実用化されるのではないか、と言われています。
SF好きなら、(月面から採掘してきた)ヘリウム3と重水素を用いた核融合発電について知っていることでしょう。これも将来的に核融合炉に用いられる可能性のある反応の一つです。
しかし、これら核融合反応を用いて核融合炉を実用化するには、1億℃近い高温を持続させなければいけないという条件が付きます。太陽の表面温度が6000℃ぐらいですからその大変さが分かるでしょう。(論理的におかしいですが、気にしない!)これが非常に大変で、実用化の障害となっています。油断して温度が下げてしまうと、すぐに反応が止まってしまうのです。
ところが、逆に考えると、反応はすぐに止めることができるというわけで、つまり、核融合炉は、現在の(核分裂を利用した)原子力発電所なんかよりも圧倒的に、というよりも比べものにならないほど安全というわけです。
というわけで、これからの時代は核融合炉だぜー☆
~結論~
涙は人間の穴という穴から出る液体の中で、最も美しい液体である(多分)。
<アイキャッチのバカテスト>
第1話、CM前後(アイキャッチ)のバカテスト【第1問】では、原作第4巻第4問のバカテストが掲載されてました。
物理の教科書の「クーロン力(りょく)」が、何度見ても「クーロンカ(くーろんか)」にしか見えなかった時期が私にもありました。

↑姫路さんのトレードマーク?であるウサギさんも健在
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バカテスト解説&間違い直し!
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問 以下の問いに答えなさい。
海水に含まれる主な成分は水と何でしょう。
姫路瑞希の答え
『塩(塩化ナトリウム)』
教師のコメント
正解です。さすがですね、姫路さん。
他にもマグネシウムを始めとする様々な成分が
溶け込んでいますが、
塩分が最も多い約3.5%をしめています。
吉井明久の答え
『後悔と懺悔の涙』
教師のコメント
……何があったんですか?
次回予告
僕と浴衣とお祭り騒ぎっ!

↑いきなりの水着回となりました。真珠は月の涙。
~バカテスト解説!~
というわけで、始まりました、バカテス2期。
2期も誰得なバカテストの解説を行っていきたいと思います。
よろしくお願いします☆
では早速バカテストの解説に移りましょう。
題意がやや汲み取りにくいですが、海水を蒸発させたときに出てくる成分と解釈しておきましょう。海水中では(イオン結晶は基本的に)イオンの形で溶けているわけですからね。
さて、「姫路瑞希の答え」では、姫路さんが「塩化ナトリウム」のことを「塩」と言ってしまっているのが気になりますね。
科学において「塩(えん)」とは、陽イオンと陰イオンからできる化合物のことを指しますから、できれば「塩(しお)」のことは「食塩」と呼んでほしいところです。
そして、問題なのは、教師のコメントの方ですね。
「他にもマグネシウムを始めとする様々な成分が溶け込んでいますが、塩分が最も多い約3.5%をしめています」とあるように、どうやらここでは「塩分」を「塩化ナトリウム成分の量」という意味で用いているようです。
既にこの時点でものすごい違和感がありますが、まあ日常生活で「塩分摂り過ぎに注意!」なんて言った場合には、それは「塩化ナトリウム」のことを指しますから、泣く泣く許容することにしましょう。実際に辞書を引いてみると、
塩分
1 物の中に含まれている食塩の量。
2 海水中に溶けている塩類の量。ふつう海水1キログラム中のグラム数(パーミル)で表す。平均海水で約35パーミル。
(『デジタル大辞泉』)
と記されています。サイエンスとしての「塩分」は普通は2の方の意味を表し、塩化ナトリウム以外の、例えば塩化マグネシウム(にがりの主成分)などの「塩(えん)」も含みます。
……さて、ここまで読んで何か気付くことがありますね?
先生は重大な勘違いをしているのです……!
辞書曰く「海水中に溶けている塩類の量。ふつう海水1キログラム中のグラム数(パーミル)で表す。平均海水で約35パーミル」となっていますが、この35パーミルとは、3.5%のことです。
そうです。
先生は「塩分」を「塩化ナトリウムの量」という意味で用いておきながら、塩分の海水中に占める割合については「塩化ナトリウム以外の海水中に存在する塩類をもすべてひっくるめた」値を用いているのです。
実際のところ、塩化ナトリウムの海水中に占める質量パーセント濃度は、2.7%ぐらいになるでしょうね。
用語の意味がブレると大変です。先生にはぜひ正しく用いていただきたい。
<余談>
海水中の成分として今ホットな話題といえば、やはり、D(重水素)とLi(リチウム)でしょう。どちらも海水中にほぼ無尽蔵に存在する資源です。天然資源に乏しく、かつ海に囲まれた日本にとって、(低コストで採集することができれば)この両者はこの上なく魅力的な資源なわけです。
さて、この重水素とリチウムがなぜ今ホットなのかと言えば、DとLiは、現在技術開発中の「核融合炉(核融合発電)」の有力な燃料物質となりうるからなんですねー。正確には、Liから作られる三重水素(T)が燃料なわけですが、このDとTを燃料としたD-T核融合を利用した「核融合炉」が最も早く実用化されるのではないか、と言われています。
SF好きなら、(月面から採掘してきた)ヘリウム3と重水素を用いた核融合発電について知っていることでしょう。これも将来的に核融合炉に用いられる可能性のある反応の一つです。
しかし、これら核融合反応を用いて核融合炉を実用化するには、1億℃近い高温を持続させなければいけないという条件が付きます。太陽の表面温度が6000℃ぐらいですからその大変さが分かるでしょう。(論理的におかしいですが、気にしない!)これが非常に大変で、実用化の障害となっています。油断して温度が下げてしまうと、すぐに反応が止まってしまうのです。
ところが、逆に考えると、反応はすぐに止めることができるというわけで、つまり、核融合炉は、現在の(核分裂を利用した)原子力発電所なんかよりも圧倒的に、というよりも比べものにならないほど安全というわけです。
というわけで、これからの時代は核融合炉だぜー☆
~結論~
涙は人間の穴という穴から出る液体の中で、最も美しい液体である(多分)。
<アイキャッチのバカテスト>
第1話、CM前後(アイキャッチ)のバカテスト【第1問】では、原作第4巻第4問のバカテストが掲載されてました。
物理の教科書の「クーロン力(りょく)」が、何度見ても「クーロンカ(くーろんか)」にしか見えなかった時期が私にもありました。

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