Chemquiry ブログ
化学の探求サイト“Chemquiry”のブログ。
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アレン型分子の異性体は何種類?
アレン( H2C=C=CH2 )の4つの水素原子を4つの異なる置換基で取り替えると、いくつの異性体が生じる?

答えは6つですね!
(ドラッグで反転、万が一それで表示されなくても、下の方の写真から明らか)
さて、上の写真のアレンのままだと、見にくいので、π結合はとっちゃいましょうか(爆)
ちなみに、π結合の軌道版もくっつけてアレンを分子模型で組み立てる場合には、両端の炭素原子2つはベンゼン環を組み立てるのに使う sp2 炭素原子を使えばいいのですが、中央の炭素原子は sp 炭素原子を使わなくてはならない……!! しかし、そんなのは分子模型セットの中には入っていないので、万能原子を使うことになります。万能原子スゲー
てなわけで、水素原子とπ結合軌道版を引っこ抜いて、赤、黄、青、緑の各置換基をぶっ挿したのが以下の図です。アレンの水素原子4つを異なる4つの置換基で置換した分子(長い!)の異性体は、6種類存在するわけですね。

(クリックで拡大)
左右の分子がちょうど鏡像関係にあることを示そうとしたのですが、これはひどい!
脳内で回転させて補完しておいてください(爆)
1ヶ月後ぐらいに見ると、ちゃっかり直ってるかもしれませんが(笑)
ぜひ分子模型を使って、実際に自分でアレン(のようなもの)を組んで確かめてみてほしいところですが、図では赤い置換基は固定してあるので、脳内だけでも、この6種の異性体がそれぞれ異なる分子であることは理解できるでしょう。
また省略してしまいましたが、実際には、

このようにπ結合なるものが邪魔をしているために、軸に対して回転することはできない、ということも踏まえておいてくださいね。
さて、このアレン(のようなもの)の例のように、不斉炭素原子を持たない例というのは世の中にけっこうあります。代表的なものだと、ビフェニルの誘導体とか、ヘキサヘリセンとかの例があるでしょう。
ところで、不斉って日本語は分かりにくいですよね。asymmetryと言った方が分かりやすいと思うのですが…。
それはさておき、そういった不斉炭素原子を持たない従来の立体異性体シリーズとは違った新しい知識が、化学グランプリ2008の第2問の最後の方で登場していましたね! トポロジー幾何学的に考察された、ノット分子と環状分子の異性体、すなわちトポロジカル異性体です!
問12の頭の体操問題は、なんというか、頭の体操でしたね!
ああいう問題は、人によって得手不得手が分かれるんですよねー。
そして、ああ、あの最強のフィッシャー(Fischer)投影式の話をしたかったのに……時間が、時間がぁ!!
まあ、なんだ、参考書等で勉強した人も多いと思いますが、

フィッシャー投影式は、分子の紙面への潰し方に注意!
左右の原子(団)が手前に、上下の原子(団)が奥になるように潰すこと!
これを誤ると大変なことになるので。
フィッシャー投影式を露骨に出してくる大学入試問題(京大とか)もあるので、ぜひ理解しておきたいところだが、いかんせん解説の時間がっ……!!
まあとにかく、化学グランプリ2010や、化学オリンピック日本大会に参加する皆さん、頑張ってください!!
化学グランプリ会場なう、とかしてくれる人はいないものか(笑)
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答えは6つですね!
(ドラッグで反転、万が一それで表示されなくても、下の方の写真から明らか)
さて、上の写真のアレンのままだと、見にくいので、π結合はとっちゃいましょうか(爆)
ちなみに、π結合の軌道版もくっつけてアレンを分子模型で組み立てる場合には、両端の炭素原子2つはベンゼン環を組み立てるのに使う sp2 炭素原子を使えばいいのですが、中央の炭素原子は sp 炭素原子を使わなくてはならない……!! しかし、そんなのは分子模型セットの中には入っていないので、万能原子を使うことになります。万能原子スゲー
てなわけで、水素原子とπ結合軌道版を引っこ抜いて、赤、黄、青、緑の各置換基をぶっ挿したのが以下の図です。アレンの水素原子4つを異なる4つの置換基で置換した分子(長い!)の異性体は、6種類存在するわけですね。

(クリックで拡大)
左右の分子がちょうど鏡像関係にあることを示そうとしたのですが、これはひどい!
脳内で回転させて補完しておいてください(爆)
1ヶ月後ぐらいに見ると、ちゃっかり直ってるかもしれませんが(笑)
ぜひ分子模型を使って、実際に自分でアレン(のようなもの)を組んで確かめてみてほしいところですが、図では赤い置換基は固定してあるので、脳内だけでも、この6種の異性体がそれぞれ異なる分子であることは理解できるでしょう。
また省略してしまいましたが、実際には、

このようにπ結合なるものが邪魔をしているために、軸に対して回転することはできない、ということも踏まえておいてくださいね。
さて、このアレン(のようなもの)の例のように、不斉炭素原子を持たない例というのは世の中にけっこうあります。代表的なものだと、ビフェニルの誘導体とか、ヘキサヘリセンとかの例があるでしょう。
ところで、不斉って日本語は分かりにくいですよね。asymmetryと言った方が分かりやすいと思うのですが…。
それはさておき、そういった不斉炭素原子を持たない従来の立体異性体シリーズとは違った新しい知識が、化学グランプリ2008の第2問の最後の方で登場していましたね! トポロジー幾何学的に考察された、ノット分子と環状分子の異性体、すなわちトポロジカル異性体です!
問12の頭の体操問題は、なんというか、頭の体操でしたね!
ああいう問題は、人によって得手不得手が分かれるんですよねー。
そして、ああ、あの最強のフィッシャー(Fischer)投影式の話をしたかったのに……時間が、時間がぁ!!
まあ、なんだ、参考書等で勉強した人も多いと思いますが、

フィッシャー投影式は、分子の紙面への潰し方に注意!
左右の原子(団)が手前に、上下の原子(団)が奥になるように潰すこと!
これを誤ると大変なことになるので。
フィッシャー投影式を露骨に出してくる大学入試問題(京大とか)もあるので、ぜひ理解しておきたいところだが、いかんせん解説の時間がっ……!!
まあとにかく、化学グランプリ2010や、化学オリンピック日本大会に参加する皆さん、頑張ってください!!
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