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化学グランプリ2010一次選考、出題傾向は?

前々から、化学グランプリ2009の報告書が既に出ていることには気付いていたけど、やっとじっくり読む時間が取れたので、読んでみました。

引用箇所には「>」マークをつけています。

そして、ようやく、化学グランプリの二次進出ボーダーライン等も更新。



報告書を読んだ限りでは、今年(化学グランプリ2010)の一次選考・筆記試験も、去年と同様の問題形式が予想されますね。

問題1(基礎化学)が、おそらく身近な科学的話題を題材とした、簡単な計算と考察の問題。
問題2(有機化学)は、どうしても知識面で高3有利に働いてしまうので、中学生にも解けるようにやたらと説明文の長くなったような、なおかつ、応用力も問おうとして出題者が頑張っているなぁ、という様子が問題文から滲み出てくるような、そんな問題。
問題3(無機化学)は、高校における理論化学が加わったような問題。

で、去年実際化学グランプリを受けた人たちにあまり興味を持ってもらえなかった問題4(物理化学)は、興味を持ってもらうために、身近な話題を題材として問題が作られる可能性が高いですね。

>物理化学に対してネガティブな印象を与えるのは本意ではないので、同じような内容を取り扱うにしても、問題作成時により身近な問題として捉えられるよう工夫が必要かもしれない。



今年(化学グランプリ2010)の一次試験(筆記問題)のレベルは、

去年の「一次選考難易度」アンケートにおいて、難しいと感じた人が多い(全体の87%)ため、今年は若干易化するかもしれませんねぇ。 …と思ったけど、よくよく考えたら、例年これくらいの数値を示しますねww まあしかし、

>高校教科書の範囲を超えるレベルの問題を出すことや、思考力や応用力を問うといったこれまでの方針を変更する必要はないだろう。

とあるように、教科書は逸脱するでしょうが、問題文をしっかり読めばちゃんと解けますよ、という従来通りの問題になるでしょうね。



「全国高校化学グランプリを何で知りましたか」に関しては、まだまだ「先生から」が圧倒的に多いですね。

今年の化学グランプリ2010では、私の奇行 尽力により、「インターネットから知った」が増えるといいなぁ(笑)。



以下、気になったとことか。


なんで函館会場は消えてなくなったのかと思ってたけど、参加人数が0人だったのか!
そりゃ消えちゃうわな…。



二次選考合宿での施設見学会は、京都大学総合博物館で行われたのかなぁ。研究室の見学とかはやらなかったみたいで。今年(化学グランプ2010)はあるといいですね。高校の段階ではなかなか見れるものではないので。



>今回から公式に中学生以下の参加を認めたため、全体の約4%に相当する109名の中学生および小学生の参加があった。

小学生の参加は去年から既にあったのか!
去年の募集要項をよく確認すると、確かに「以下」とはなってるが。
それで今年から「年齢の下限はありません」と明記されたわけですね。



参加者の増加で、採点作業がだいぶ大変になってきている模様。
できれば記述式の問題にして、部分点も採点してもらいたいところですが、そういうわけにもいきませんね。
今年も、去年と同じような解答形式かな。
採点しやすくするために、記号問題が増やされたり、ある見方をするとその記号が文章になっていたり(笑)、設問数が減ったりするかもしれませんね。



>今年度も昨年度に引き続き問題の文量が多くなりすぎないよう配慮した。

ですね。



>効率よく採点できるよう、設問にも様々な工夫を施した。

去年注目される点といえば、やはり設問数(解答欄)の減少でしょう。
なんかやたらと解答欄が大きい印象を受けましたからね。

まあ、だからといって、今年(2010年度入試)の東大英語の第2問A、自由英作文みたいに、解答欄が狭すぎ(解答欄の行数が少なすぎ)で、大半の人がはみだしてしまう(下に1行分まるまるはみ出すどころか、それにプラスしてさらに横にもはみ出した人もww)ようなのは勘弁ですが(笑)。



>問題の内容としては例年通り知識を単に問うのではなく、思考力や理解力、応用力を必要とする問題ができたと思われる。

とはいえ、知識があるとやはり楽に解けますね。(特に問題2、有機)



>学年の低い受験者でも全く手が出せないということがないよう配慮した。

確かに。化学の普及が第一ですからね。



問題作成者の方々は、問題を作る際に、中学生にも解けるように、だけど(問題文が冗長なばかりに)高3生の時間が足りなくならないように、と苦心されているようですが、

用語とかだけは問題冊子とは別の用紙にまとめて、試験開始前に読むことを許可する、というのはどうでしょうかね?

要は、二次の実験試験における実験の注意事項と似たようなスタイルをとるということです。

担当者の方々、見てますか~(笑)?



以下、出題者からのメッセージ。


>日々の学校での学習は決して机上の問題ではなく、これからの世界を背負う世代にとって欠くべからざる基本的な素養の一部分であることを感じて欲しい


>身近な社会問題等と学問の不可分な関係を意識した上で、皆さんが化学を含めた自然科学全般に強い関心を継続的にいだいてくれることを願って止まない。自然科学は決して学術研究という枠組に独立して収まっているようなものではない。日々自然科学を修めつつある若い皆さんの将来の活躍の場と責任は広く、かつ深い。是非自身の夢と責任感を大いに胸に感じながら日々の自然科学の学習に取り組んでほしい。


>普段から、身の回りのサイエンスについて思いを巡らし、化学、物理、生物さらには数学の枠にとらわれない、社会が求めるサイエンスの基礎を身につけるよう心がけてもらいたい



私もそう思いますが、でしたら、
まず現状の科学教育を何とかしてください><

しかし、そのためには、手始めに大学入試を潰さないといけませんね…


大学入試センターが事業仕分けで廃止になってたら、面白いことになってたかもしれませんね(笑)


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テーマ : 化学 - ジャンル : 学問・文化・芸術

Tag : 化学グランプリ一次選考出題傾向

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このブログは、悠久の彼方へと旅立った、かつての部員を偲びながら、

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……なのですが、結構本人はマジメにやってるのでした。


でも、やっぱりメインは化学なんだなあ(↓)

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