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化学グランプリ2009 第1問(基礎化学) 解説
第1問 『道具としての自然科学』
~ ヘスの法則を用いてごみ問題を考える ~
<凡例>
問○ 分野・テーマ (難易度・平年比)
解法。コメント。
問1 ごみの元素組成 (易)
表からデータを読み取るだけ。
問2 おおよそのごみの燃焼反応 (易)
有機の元素分析の問題で必ず出てくる、定番の問題の発展版。
先に右辺の係数をパパッと出してから、左辺の酸素の係数を合わせる。
問3 食品ごみの燃焼による発熱量 (易)
熱力学方程式の活用。
電卓のメモリー機能(M+)を利用して、手早く答えを出そう!
問4 食品ごみ1kgあたりの燃焼による発熱量 (易)
単位変換。
だが、食品ごみの組成式の式量を考慮するだけ、と極めて容易。
表紙裏に書かれた原子量を利用する…のだが、有名元素なので、
原子量を覚えている人も多いだろう。
だが、注意してほしい。
電卓使用可のためか、有効数字3桁で原子量が与えられており、
Sの原子量が32.1になっている。
今回は32でケイ酸 計算 (←なぜか先にケイ酸が出てきた…)しても、結果に影響はないが、今後注意が必要かも。
問5 グラフの読み取り (易)
落ち着いて考えれば、右下に行くほど%が上がるのは当然ですが、
パニくったら、とりあえず、手当たりしだいに はしっこ同士とその間ぐらいを調べてみるのがよいでしょう。
問6 実験データからの考察 (やや易)
誘導過剰のため、易しくなってしまっている。
だが、選択肢を眺めすぎると、混乱して、パニックに陥るかも…。
選択肢を見るな! 上の文章を見ろ!
マル1~3は、まあ、いいとして、間違えるとすると、マル4かな。
まあ、「ヘスの法則と対応させて考えると」と大ヒントが与えられているので、
これから、↓の図を連想すれば、自ずと答えは出てくるかな

↑クリックで拡大。
問7 1kgの水が30℃→100℃になる際の吸熱量 (易)
「水の比熱は4.2 kJ kg-1 K-1 としなさい」
と書いてあるにも関わらず、なぜかその後に
「比熱とは、単位量の物質が単位温度だけ温度上昇するときに吸収する熱量のこと」などと注釈がつけてある。
ヒントが過剰すぎるよ…。
単なる掛け算なんだから、間違えちゃダメなんだからね!
問8 1kgの水が100℃で、液体→気体になる際の吸熱量 (易)
まー、水のモル蒸発熱に関しては、一応ヒントがあってもいいかな。
単位から明らかではあるんですけどね。
これも、間違えちゃダメなんだからねっ!
問9 7割の水を含んだ食品ごみの発熱ロス (易)
総まとめのケイ酸です。問4・問8ができていればできるハズ。
有効数字1桁なので、かなり大雑把にケイ酸できるし、楽チン♪
さて、そういうわけで、化学グランプリ2009の第1問は、
昨年比、易化&分量減少、という、
二次進出のためには、絶対におさえなければならない問題となったのでした。
「ごみ問題についてヘスの法則を用いて考える」という、
テーマとしてはすごく面白い問題なのですが、
誘導&ヒントが過剰で、とてつもなく簡単になった問題でした。
ただ、中学生や高1、高2生にも、問題が解けた、という満足感を持ってもらう、という目的を考えると、まあ適当な難易度なのかもしれません。
あと、公式の解説には、補足として「回帰」について述べてありましたが…、何やら、複雑な式が出てきていますね(笑)。
東大後期の「総合科目II」を彷彿とさせます…。
(偏微分は出ませんが)
ま、要するに、ここで言いたいのは、
『最終的に提示された「自動処理済み」のデータを眺めるのみならず、考察の出発点のデータ(生データ)をどのように処理すべきかを自分で注意深く考える習慣を、皆さんにはぜひ身につけてもらいたいと思う』
ということでしょう。
でも、そういうことなら、
データのプロット&回帰線を引く作業ぐらいさせてもよかったのではないでしょうかね。

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~ ヘスの法則を用いてごみ問題を考える ~
<凡例>
問○ 分野・テーマ (難易度・平年比)
解法。コメント。
問1 ごみの元素組成 (易)
表からデータを読み取るだけ。
問2 おおよそのごみの燃焼反応 (易)
有機の元素分析の問題で必ず出てくる、定番の問題の発展版。
先に右辺の係数をパパッと出してから、左辺の酸素の係数を合わせる。
問3 食品ごみの燃焼による発熱量 (易)
熱力学方程式の活用。
電卓のメモリー機能(M+)を利用して、手早く答えを出そう!
問4 食品ごみ1kgあたりの燃焼による発熱量 (易)
単位変換。
だが、食品ごみの組成式の式量を考慮するだけ、と極めて容易。
表紙裏に書かれた原子量を利用する…のだが、有名元素なので、
原子量を覚えている人も多いだろう。
だが、注意してほしい。
電卓使用可のためか、有効数字3桁で原子量が与えられており、
Sの原子量が32.1になっている。
今回は32で
問5 グラフの読み取り (易)
落ち着いて考えれば、右下に行くほど%が上がるのは当然ですが、
パニくったら、とりあえず、
問6 実験データからの考察 (やや易)
誘導過剰のため、易しくなってしまっている。
だが、選択肢を眺めすぎると、混乱して、パニックに陥るかも…。
選択肢を見るな! 上の文章を見ろ!
マル1~3は、まあ、いいとして、間違えるとすると、マル4かな。
まあ、「ヘスの法則と対応させて考えると」と大ヒントが与えられているので、
これから、↓の図を連想すれば、自ずと答えは出てくるかな

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問7 1kgの水が30℃→100℃になる際の吸熱量 (易)
「水の比熱は4.2 kJ kg-1 K-1 としなさい」
と書いてあるにも関わらず、なぜかその後に
「比熱とは、単位量の物質が単位温度だけ温度上昇するときに吸収する熱量のこと」などと注釈がつけてある。
ヒントが過剰すぎるよ…。
単なる掛け算なんだから、間違えちゃダメなんだからね!
問8 1kgの水が100℃で、液体→気体になる際の吸熱量 (易)
まー、水のモル蒸発熱に関しては、一応ヒントがあってもいいかな。
単位から明らかではあるんですけどね。
これも、間違えちゃダメなんだからねっ!
問9 7割の水を含んだ食品ごみの発熱ロス (易)
総まとめのケイ酸です。問4・問8ができていればできるハズ。
有効数字1桁なので、かなり大雑把にケイ酸できるし、楽チン♪
さて、そういうわけで、化学グランプリ2009の第1問は、
昨年比、易化&分量減少、という、
二次進出のためには、絶対におさえなければならない問題となったのでした。
「ごみ問題についてヘスの法則を用いて考える」という、
テーマとしてはすごく面白い問題なのですが、
誘導&ヒントが過剰で、とてつもなく簡単になった問題でした。
ただ、中学生や高1、高2生にも、問題が解けた、という満足感を持ってもらう、という目的を考えると、まあ適当な難易度なのかもしれません。
あと、公式の解説には、補足として「回帰」について述べてありましたが…、何やら、複雑な式が出てきていますね(笑)。
東大後期の「総合科目II」を彷彿とさせます…。
(偏微分は出ませんが)
ま、要するに、ここで言いたいのは、
『最終的に提示された「自動処理済み」のデータを眺めるのみならず、考察の出発点のデータ(生データ)をどのように処理すべきかを自分で注意深く考える習慣を、皆さんにはぜひ身につけてもらいたいと思う』
ということでしょう。
でも、そういうことなら、
データのプロット&回帰線を引く作業ぐらいさせてもよかったのではないでしょうかね。

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