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化学グランプリ2010 第3問(有機化学)解説

第3問 有機金属化合物を利用した炭素―炭素結合形成反応


<凡例>
問○ 分野・テーマ (独断と偏見による難易度評価)
 解法。コメント。

問1 無極性分子を探せ! (易)

 双極子モーメントを合成していくわけですが、まあ有名題なので大丈夫でしょう。


問2 グリニャール試薬の極性 (易)

 問1と問2の間の文章を読むと、答えがきちんと書いてある(爆)ので、グリニャール試薬を知らなくても、ぜひ正解してほしいところです。

 電気陰性度に着目して考えるわけですが、これを間違えると後の問題が解けないような……?

 逆に後の文章から遡って解答することもできるかも。

 
問3 カルボニル基の極性とアルコキシド (やや易)

 カルボニル基( >C=O )の極性は、化学グランプリ2007に登場したアルドール反応についても言えますが、炭素―炭素結合を作る上で非常に重要なポイントですね!

 ウは知識問題ですね。おそらくエーテルかアルコキシドで迷うところでしょうか?

 エーテルは、R-O-R' で表される化合物で、RやR'は、少なくともOの隣の原子は炭素じゃないと困りますね。

 アルコキシドは、アルコールの陰イオンです。R-O-ですね。あまり聞き慣れないかもしれませんが、有機の最初の方でメタノール、エタノールにナトリウムをぶち込むと水素が出てくる、という反応のおまけとして、ナトリウムメトキシド、エタノールエトキシドという名前を聞いたことがあるかもしれません。


問4 グリニャール試薬の有名反応 (やや易)
問5 グリニャール試薬によるエチレンオキシドの開環 (やや易)
問6 ニッケル錯体を触媒として用いたカップリング反応の考察1 (易)
問7 ニッケル錯体を触媒として用いたカップリング反応の考察2 (易)
問8 ニッケル錯体を触媒として用いたポリアレーンの合成 (やや難)

これらの問題は図を大きく表示したいので、Chemquiry本部の方へ移動します。

コチラからどうぞ!


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Tag : 化学グランプリ グリニャール試薬 極性 アルコキシド

化学グランプリ2010 第2問(基礎化学)解説

第2問 水道水のライフサイクル


<凡例>
問○ 分野・テーマ (独断と偏見による難易度評価)
 解法。コメント。

問1 炭酸カルシウムあれこれ (易)

 aの選択肢の5番のCaC2は炭化カルシウムと呼ばれる物質で、カーバイドと言えば大抵はこの物質を指します。アセチレン(C2H2)の製法のところで出てきますね。炭化カルシウムに水を加えると発生します。この発生したアセチレンガスを燃やすことによって光を得るアセチレンランプは、昔は夜釣りや露店なんかに用いられていたようですが、最近は全く見かけることはありませんね。筆者も1回しか見たことがありません。

 炭酸カルシウムと希硫酸の反応は、炭酸の弱酸遊離の化学反応式を書けばOKです。


問2 次亜塩素酸ナトリウムが殺菌時に細菌類に及ぼす化学作用 (易)

 まあこれは知らないと解けないか……

 
問3 塩化ビニル樹脂製品の用途と特徴 (易)

 レザー(leather)とは「革」のことですね。


問4 一日分の水をくみ上げるのに必要なエネルギー (易)

 bの問題は15℃という答えが選択肢にないところに、作問者の優しさを感じますね。


問5 蛇口から出た水の速さと断面積 (易)

 重力で加速されているので、下に行くほど速くなりますね。


問6 蛇口から出た水の加速具合 (易)

 「水の単位時間あたりの流量は一定」より、「位置Pを単位時間に通過する水の体積」は一定とみなせるため、vpは位置Pでの水の断面積に反比例することになります。あとは、比例関係を直径で表せばOK。


問7 蛇口から出た水道水がやがて球状になる原因考察1 (やや易)

   V0 = πd2l/4 ・・・(1)

を導き出した上で、「円柱の胴の部分の表面積」とは「円柱の側面積」のことであると見破り、側面積がπdl と表されることから、(1)式を変形し、

   4V0/d = πdl

より、エの答えは4V0/d となる。使える文字に注意すること!


問8 蛇口から出た水道水がやがて球状になる原因考察2 (易)

 V0が一定であることから、前問エの結果より、dが小さくなる(=下方へいく)ほど、側面積は小さくなる。キの答えは「一般に、液体と気体の触れ合っている面(表面)にはできるだけ小さくなろうとする力がたらく」より明らかであろう。


問9 蛇口から出た水道水がやがて球状になる原因考察3 (易)

 表面張力。知ってておきたい言葉ですね。

 「液体と気体の触れ合っている面」と限定されているので、「界面張力」だと×か、よくて△でしょう。


問10 界面活性剤による表面張力の低下 (易)

 割と有名な話かな。


問11 地球上のすべての水に対する海水の割合 (易)

 計算するだけ。海水に対してあまりにも小さいものは無視しても結果は変わらないですが、心配なら全部足してみてもいいでしょう。


問12 逆浸透法と蒸留で、海水から純粋な水を得る際に必要なエネルギーの比較 (標準)

 これは、浸透圧系の問題を一度は解いたことがないと間違えそうな問題ですね。

 aの問題で「NaClは100%電離していると考えなさい」と書いてあることにはかなり重要な意味があります。気体の圧力が気体分子が壁に衝突する際に生じるものと考えるならば、浸透圧とは溶液中の粒子が半透膜に衝突する際に生じるものと考えることができますから、半透膜に衝突するのがNaClなのかNa+とCl-なのかという点は非常に重要です。後者は前者の2倍の圧力になってしまいます!

 あとは気体定数の取り扱いについてです。去年の問題にも似たような問題がありましたが、まず、1 J とは、1 kg の物体を 1 m 持ち上げるのに必要なエネルギーであり、[J] = [kg m] と表され、1 Pa とは、1 kg の力が 1 m2の平面にかかる際の圧力であり、[Pa] = [kg m-2]と表され、1 m3 = 1000 L であることから、これをまとめて、

   8.31 [J mol-1 K-1]
  = 8.31 [kg m mol-1 K -1]
  = 8.31 [kg m-2 m3 mol-1 K -1]
  = 8.31 [Pa m3 mol-1 K -1]
  = 8.31×103 [Pa L mol-1 K -1]

となりますね。


よって、

Π = cRT = 0.10 mol L-1 ×2 × 8.31×103 Pa L mol-1 K -1 × 300 K ~ 4.99×105 Pa


 bは、あれなんでNa+の物質量の割合しか与えられていないんだ? Mg2+とかの割合は??? と混乱し出したら手のつかない問題になってしまうかもしれませんね。

 そもそも、物質量とは、ただの個数(のかたまり)です。1 mol とは、ただの 6.02×1023 個のことにすぎません。そして、濃度 mol L-1 とは、1 L 中に粒子が何個あるのかな、ということを示しているにすぎません。今、与えられたデータを用いて、Na+の物質量(=個数)が分かり、全体の粒子のうちの42%の粒子がNa+だと言っているのですから、全体の粒子の物質量(=個数)はすぐに求まりますよね。浸透圧(気体においては「全圧」)を考える上で、衝突する粒子の種類を考える必要はありません。

 というわけで、

Na+の物質量 nNa+: nNa+ mol = 10.0 g / (23 g mol-1)

全体の物質量 n : n mol = nNa+ mol ×100/42

浸透圧 Π : Π Pa = n mol / (1 L) × 8.31×103 Pa L mol-1 K -1 × 300 K

これを計算すると、2.58×106 Pa が得られ、逆浸透圧法で淡水を得るために必要な最小の圧力とはすなわち、浸透圧に相当することから、2.58×106 Pa が答えになります。


 cは、前述の通り、[Pa] = [J m-3] であり、1 m3 = 103 L = 106 cm3 であり、さらに水の密度が 1.00 g cm-3 であり、さらにさらに水 1 mol の質量は18 g であることから、逆浸透法により海水から水 1 mol を得るために必要なエネルギーEは、

  E J = 2.580×106 Pa × (18×10-6 m-3)

これを水の蒸発熱 40 kJ から割って、

  40/E ~ 8.61×102(倍)が答えとなりますね!



最後の問題は少し難しかったかな?

「物質量」という用語は、なぜか難解な印象を与えますよね。英語では"Amount of substance"、まあ日本語訳すれば、確かに「物質の量」なんですが、"amount"という英単語のニュアンスから数え切れないほどの個数のイメージが喚起できるので、こっちのフレーズの方が個人的に分かりやすいのではないかと思ったり。


さて、第2問は割と簡単で、解くのにもそんなに時間がかからないと思われるので、下水処理系の問題も出題して、完全な「水道水のライフサイクル」の問題に仕上げることも不可能でなかったのでは、と思いますね。


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Tag : 化学グランプリ 水道水 逆浸透法 海水 ライフサイクル

化学グランプリ2010 第1問(物理化学、電気化学)解説

第1問 「電気化学」の世界をのぞいてみよう!


<凡例>
問○ 分野・テーマ (独断と偏見による難易度評価)
 解法。コメント。

問1 水の電気分解 (易)

 水が酸化されて酸素が発生する反応といえば、他にフッ素と水の反応

   2F2 + 2H2O → 4HF + O2

が有名ですね。

 ウ、エは格好つけて、それぞれ「カソード(cathode)」、「アノード(anode)」と書いても○になるでしょう。

 解説に書いてある通り、酸化反応が起きる電極が「アノード(anode)」であり、還元反応が起きる電極が「カソード(cathode)」なので、まとめると、

 <電気分解>
  「陽極」=「アノード(anode)」
  「陰極」=「カソード(cathode)」

 <電池>
  「負極」=「アノード(anode)」
  「正極」=「カソード(cathode)」

となります。


問2 ル・シャトリエの平衡移動の原理 (易)

 選択肢に「右向きに移動したあと左向きに移動する」なんていう意味深なものがありますが、心理作戦でしょうか? 騙されないように!

 さて、本問は文章中から「電位を低くする」=「e-(のエネルギー)が増える」ということが読み取れれば解けちゃいますね!

 仮に読みとれなかったとしても、何やら図2にヒント、というか答えそのものが……(汗)

 
問3 硫酸水溶液の電気分解における酸素の発生反応 (易)

 高3の人は書き慣れてるだろう、あの反応式。


問4-ク・ケ 水の電気分解に必要な最小電圧 (易)

 クは前問で書いた平衡の式を

   2H2O → O2 + 4H+ + 4e-

 へと進めたいわけなので、ル・シャトリエの平衡移動の原理より、e-(のエネルギー)を減らす、つまり、電位を高くするとよいですね。

 ケは指示通り、差を取ってください。もちろん値は正にしてくれないと困りますよ。


問4-コ 水1モルを電気分解するのに必要な最小の電気エネルギー (やや易/やや難)

 まずは指定された単位に注目。kJ です。間違えて J で解答しないように。

 そして、この問題は、電磁気学をかじったことのない人にはやや不利な問題か……?

 「電位」とは、ある単位電荷が(その点において)もつ静電エネルギーのことであり、電位の単位「V(ボルト)」は、エネルギーの単位「J(ジュール)」と電気量の単位「C(クーロン)」を用いて、

   [V] = [J/C]

と表されることから、水の電気分解に必要な最小電圧である 1.23 V に、水1モルの電気分解において必要となる電気量を掛けて、水1モルの電気分解に必要な最小な電気エネルギーを求めるわけです。

 よって以下、水1モルの電気分解において必要となる電気量を求めます。

   2H2O + 2e- → H2 + 2OH- ・・・(1)
   2H2O → O2 + 4H+ + 4e-   ・・・(2)

(1)×2+(2)として電子を4e- とした上で足し合わせると、

   6H2O → 2H2 + O2 + 4H2O

よって、

   2H2O → 2H2 + O2

 以上より、水2モルの電気分解には、4モルの電子が必要であることが分かりました。

 よって、水1モルの電気分解には、2モルの電子が必要ですね。

 ゆえに、水1モルの電気分解において必要となる電気量Qは、表紙裏のファラデー定数

   F = 9.65×104 C mol-1

 を用いて、

   Q = 9.65×104 C mol-1 × 2 mol

 と表されます。


 したがって、水1モルの電気分解に必要な最小な電気エネルギーは、

   (9.65×104×2) C ×1.23 V = 2.37×105 J = 2.37×102 kJ

となるわけです。


問5 酸化されやすい金属 (易)

 電位うんぬんを考えなくても、表1を見るだけで判断できますね。


問6 酸化還元反応 (標準)

 表1を見ながら、どんな酸化還元反応が起こるのかを考えていきましょう。

 まずは、例として挙げられている濃塩酸に純粋なAl板を浸した場合について考えます。

化学グランプリ2010 第1問 問6 強酸性の水溶液に純粋なAl板を浸す
(クリックで拡大)

といったように、右上の物質と左下の物質が反応している様子が分かるでしょうか?

 これが様々な酸化還元反応を標準電極電位によって並び替えた表の素晴らしいところです! そしてこれら反応は、酸化反応と還元反応の標準電極電位の差が大きい反応ほど起こりやすいという性質があります。


 というわけで、シとスに答えを出してみましょう。

 シ・スでは、熱水に窒素を吹き込みながら純粋なAl板を浸しています。窒素は不活性ガスなので無視でき、また本文中より(水の電離の効果はほぼ無視できることから)水素イオンも無視できることから、反応系に存在する物質は、AlとH2Oですね!

   Al3+ + 3e- ← Al

から下方向に遠い還元反応が優先的に起こるわけですが、ここでH2Oを探してみると、アルミニウムの酸化反応の真下の反応しか候補に挙がりません。

化学グランプリ2010 第1問 問6 熱水に窒素を吹き込みながら純粋なAl板を浸す
(クリックで拡大)

 よって、ペアで起こる還元反応は

   2H2O + 2e- → H2 + 2OH-

ということが分かります。

 よって還元される物質はH2Oであり、析出する物質は、気体は「析出する」とは言いませんから、Al3+とOH-が反応して生成する、固体のAlOH3ということになります。アルミニウムは錯イオンを形成して溶けてしまわないのか? 残念ながらこの問題だけではよく分かりませんが、おそらくOH-の濃度が小さいために、水酸化アルミニウムは溶けてしまわない、もしくは一部だけ溶けるのでしょう。まあいずれにしろ、「析出する」と書かれているので固体の物質を書くべきでしょう。


 続いてセです。

 セでは、硫酸水溶液に純粋なPt板を浸しています。つまり、反応系に存在する物質は、Pt、硫酸から電離したH+、SO42-、そしてH2O、あとは空気――窒素は不活性ガスなので、次に多いO2ですね。

   Pt2+ + 2e- ← Pt

から下方向に遠い還元反応を探してみると、

化学グランプリ2010 第1問 問6 強酸性の水溶液に空気を吹き込みながら純粋なPt板を浸す
(クリックで拡大)

   O2 + 4H+ + 4e- → 2H2O

しかないことが分かります。

 ここで、キと書いてあるからといって、問3の「酸素が発生する平衡反応式」(→酸素を右辺に書きたくなるため、おそらくほとんどの生徒が

   2H2O ←→ O2 + 4H+ + 4e-

と書いたと思われる)にひきずられて、キを

   2H2O ←→ O2 + 4H+ + 4e-

と埋めてしまうと、永久に答えが出ないか、出たとしても間違った導出方法によって導かれた答え、ということになります。うーん、ちょっとした悪問ですね。

 よくよく表1を見ると、電子は左辺に書かれていることに気付くことと思います。よって、表1中のキは

   O2 + 4H+ + 4e- ←→ 2H2O

と埋めないといけないんですねー


 てなわけで、還元される物質はO2ということになります。

 一方のPtは酸化されてPt2+となって水溶液中に溶けだすかというと、そうではなく、即座にO2と反応し、PtOとなると言われています。


問7 銅の電解精錬における純銅板の質量増加分の計算 (やや易)

 頻出題。ファラデーの電気分解の法則を用いる。「電流の向き」と「電子の進む向き」が逆という、よくあるひっかけもかませてありますね。

 なお、「図4 電解製錬の実験装置」は「図4 電解精錬の実験装置」の間違いです。文章中では合ってるのに。

 「製錬」は、鉱石から金属を取り出そうとする過程のことを言い、
 「精錬」は、不純物を多く含んだ金属からなるべく純度の高い金属を取り出す過程のことを言うので注意。


問8 粗銅板で溶ける金属 (易)

 これも頻出題。

 というか、(5)! Cuはほとんど溶解しない、ってそれじゃ精錬の意味がないだろww

 この問題の発展として、粗銅板に含まれるPbの挙動が問われる場合もありますね。答えはもちろん「溶解するが、溶液中の硫酸イオンと反応し、硫酸鉛(II)として沈殿する」です。


 そして、問8と問9の直前の文章中では、銅の電解精錬の電圧として0.120 Vという、問9の計算には無関係な値が登場しています。この電圧の値をなぜか問9の計算に利用した、なんてことはないと信じたいものですが、ではこれは化学グランプリを受験してくれた生徒さん達へむごい引っ掛けを仕掛けるためのものなのかというと、実はそうではありません。

 この0.120 Vという値、妙に低いと思いませんか? 乾電池の電圧だって1.5 Vですよ?

 これは実は、銅の電解精錬においてあまり電圧が高すぎると、銀が溶液中に溶解してしまうことがあるという工業的理由によります。一般に銅の電解精錬の電圧は約0.3 Vと言われますが、本問では0.120 Vということで、だいぶ遠慮している感がありますね。このことによって問8では、Cu、Ag、Feはいずれも溶解する、の1番の選択肢が答えにならないようにしている、というわけです。

 なお、実際の工業現場では銀が溶解するかどうかのギリギリまで(効率の問題から)電圧を高めるために、どうしても微量の銀が溶液中に溶けだします。この銀(I)イオンを沈殿させるため、塩酸などにより塩化物イオンを溶液中に加えておくことで、銀(I)イオンは塩化銀(I)として上手く沈殿してくれるというわけですね。


問9 粗銅板の銅の純度 (やや易)

 Agの存在を忘れなければ、そんなに難しい問題ではありませんが、計算方法により公式解答(81.9 g)よりも多少前後しますね、これは。±1 gぐらいは許容範囲になるのかな? 答えだけしか書く欄がないので何とも判断しにくいところですね。一応、後で化学グランプリの公式サイドへ質問文を送っておこうかと思います。


問10 ネルンストの式を用いたダニエル電池の電圧予測 (やや易)

 ネルンストの式に各数値を代入して、最後に差を取ればOK!


問11 ダニエル電池の電圧や電気量を大きくする方法 (やや易)

 頻出の問題とはちょっと違った形式の問題ですが、少し考えれば分かる問題ですね。


問12 ダニエル電池 改 の電圧 (やや易)

 ネルンストの式に代入して計算してください。


問13・14 ダニエル電池 Kai の放電前と放電後の電圧 (標準)

 真面目に導出するなら、ネルンストの式などから条件を絞って、解いていかなければならない問題だが、これだと簡単と言えば簡単だが面倒くさい。

 そこで時間が足りなくなるといけないので、「問13の答えは1つしかない」という隠れ条件を用いることにしよう(笑)

 つまり、2価の陽イオンになるということ分かっており、また答えが1つしかないということが分かっている以上、ネルンストの式と表1の標準電極電位の表から判断するに、問13の答えはCdに決まっているということです(爆)。

 そして問14は、放電前の電圧はまあいいとして、放電後は濃度変化を加味して導き出してくださいね!



……ふぅ、重い問題でした。

実際に受験した方々は、時間は足りたんでしょうか?

化学グランプリの問題は、どの問題もほぼ均等に点数が配分されていると明記されていますから、面倒くさい問題は後回しにした上で、後で時間があれば戻ってくるという戦法を取った方がよいでしょうね。


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<追記:8/14> 情報提供感謝です!

問14

電池Cの放電後の電圧は、

解答例では、
 +0.337 -(-0.403 -0.0294) = 0.769 V
となっているが、
 +0.336 -(-0.403 -0.0294) = 0.768 V
の間違いと思われる。

※より正確には、
 +0.3356 - (-0.403 -0.0294) ~ 0.768 V


電池C(放電前→放電後)

正極の電位  0.3370 V → 0.3356 V
負極の電位 -0.4916 V → -0.4324 V
電池の電圧  0.8286 V → 0.7680 V


じゃーん 電気は大切にね ビリビリ

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Tag : 化学グランプリ ネルンストの式 標準電極電位 電気分解 酸化還元反応

化学グランプリ2010一次選考 簡単な講評と感想

大変お待たせいたしました。

化学グランプリ2010の一次選考(筆記問題)をざっと解いた感想と講評をお届けします。

一次選考の結果はとっくの昔に届いた頃でしょうが、各設問ごとの講評と分析はこれから順次アップしていきますのでお楽しみに。



さて、化学グランプリの筆記試験に突入ーーの前に、表紙裏の原子量や各種定数が書かれたページを見てみると、

相変わらず原子量は小数第一位まで書かれており、

ファラデー定数が登場しているということは、電気分解系の問題がでるのかなー、と予想できるとこまではいいのですが、

なぜか対数の底として、わざわざ10が表記してありますね……

うーん、個人的には"log"だけの方が好きなのですが、数学との混乱を避けるために仕方がないのでしょうか……



さて、では第1問を軽く終わらせて……と思いきや、意外と骨のある問題です。

化学グランプリ2010の一次選考に参加した方で、近年の過去問を解いたことがある方なら分かる通り、なぜか問題の順番が入れ替わっていますね。

化学グランプリ2010では、

第1問 物理化学(電気化学)
第2問 基礎化学
第3問 有機化学
第4問 無機化学


といったところでしょうか。


前に述べた通り、各設問の講評&分析と解説は、これから順次アップしていきますので、ここでは簡単な感想をば。


<第1問>

『科学の歴史の中でも……』

おっ、化学史来たか……? と思ったが、そんなことはなかったぜ。

電気化学チックな問題。慣れてない人がほとんどでしょうから、かなり時間を取られた問題であったことでしょう。

実はめんどくさいだけで、それほど難しくなかったり……?



<第2問>

水がテーマです。「我々の身近にあるもの」系問題ですね。

なかなか面白い問題ではないでしょうか。

水道の蛇口から流れ出る水についての考察が興味深いですね。

物理チックな問題です。

「表面張力」はぜひ書けてほしい問題ですね。

最後のファント・ホッフの法則の問題は、問題に当たったことがないとミスをするかも……。



<第3問>

グリニャール試薬が登場!

うーん、やはり過去問である化学グランプリ2007の第2問を解いておくと有利かなぁ。

後半では、化学グランプリ2007の最後の方の問題のような、本格的な有機合成系問題が来るか? と思いきや、ちゃんとレベル調整された比較的解きやすい問題でした。

が、解答解説があまり詳しくないですね。

きっとChemquiryのために解説する余地を残してくれているのでしょう。

頑張りますね!


<第4問>

結晶構造の問題が、これは結構難しいでしょう。

この結晶構造(ZnS型)に出会ったことがないと、かなり厳しい問題ではないでしょうか。

ぶっちゃけ、今年の化学オリンピック日本大会の結晶の問題(Problem 2)よりも難しいと思います。

この設問で満点が取れたら、化学オリンピックまであと少しだ(笑)!



てなわけで、何とか解けるところに時間を費やして、点数をかき集めてほしい、という問題でしたね。

問題も超簡単な問題から骨のある問題まで色々で解きごたえがあり、取り扱っているテーマも面白く、解いていて楽しい問題であったのではないでしょうか。


二次選考に進んだ81名の方は、来る二次選考、実験試験に向けて頑張ってくださいね!


そして、これから順次、1次選考の詳しい解法・解説、講評&分析をアップしていきますので、そちらもよろしく!


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Tag : 化学グランプリ 一次選考 感想 講評

化学グランプリ2010一次選考の問題、まだかな?

化学オリンピックが無事に終わるまで問題を公開しない予定なのかな。

去年は木曜日に公開だったので、今年もそれくらいを期待していたのですが。

早く印刷して今年の問題をやってみたいところです。

というわけで、コメントをくださった方には申し訳ないですが、講評や解説等はもう少しお待ちください。


一応、もう一回貼っておきます。



<化学グランプリ一次選考への質問、疑問大募集!!>

Chemquiryでは、化学グランプリ2010・一次選考に参加した皆さんの、解答解説集を読んでも今ひとつ釈然としない、といった疑問や質問などを大募集しています。

どうして、ここがこんな答えになるのか分からない。

ここはこういう答えじゃダメなのか。

解答解説集のココは間違いではないか。

など、疑問に思ったら、どんな些細なことでもいいので、このブログのコメントへ投稿してみてください!




さて、いよいよ今日は、東大の駒場キャンパスで、化学オリンピック日本大会の筆記試験が行われる日、ということで、昨日は会場設営(といっても仕事はシールを貼るくらいですが)をしてきましたが、地球温暖化を食い止めるために 経費削減のために、いつもは設定温度が28℃より下がらないエアコンが、学部との交渉により24℃まで下がるようになっていたのは衝撃でしたね。

んー、でも、この不快さの原因はあくまで「湿度」であって、一度20℃ぐらいまで、室温をうーんと下げて(蒸気圧曲線にしたがって)水を凝結させて、空気中の水分をある程度取り除いてしまい、その後28℃なら28℃に戻した方が快適に感じられるとは思うんですけどね。

まあ、それを許すと、学生は28℃に戻すことなんてなく、冷気を存分に楽しんでしまう結果になりそうですが(笑)


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Tag : 化学グランプリ 一次選考 筆記試験 化学オリンピック

プロフィール

Chemquiry

Author:Chemquiry
 
化学の探求 ~Chemquiry~ ブログへようこそ!

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このブログは、悠久の彼方へと旅立った、かつての部員を偲びながら、

私「部長」が、「化学グランプリ」や「化学オリンピック」を中心とした化学的話題を提供しつつ、

なぜか『バカとテストと召喚獣』などのアニメについて学術的(笑)にツッコんでいっちゃう、意味不明なブログ

……なのですが、結構本人はマジメにやってるのでした。


でも、やっぱりメインは化学なんだなあ(↓)

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